flower

必要な語学力

必要な語学力

多くの日本人医療従事者が世界で活躍するグローバル社会を迎え、薬剤師も世界で活躍できる機会が増えてきています。海外旅行先や留学先で体調不良になってしまった場合、 現地で日本語を話せる薬剤師に出会えるだけで、不安が解消される場合もあるでしょう。実際に海外の薬局では現地の薬剤師に交じり、多国籍の薬剤師が接客している光景を見かける事は少なくありません。 つまり、外国人という枠組みを超え、今世界で薬剤師の求人は生まれてきていると言えるでしょう。特に移民の人々が多い国や地域、海外からの旅行者が多いエリアにある薬局では、 2か国語以上の言葉を話せる薬剤師は患者のニーズに対応できる貴重な存在であり、求人数が伸びてきているようです。

しかし、その際に問題となってくるのはもちろん語学力です。英語は得意、というレベルでは仕事をこなしていくのは困難です。まず海外で薬剤師に求められる語学力には2種類あります。 一つは、同僚や現地の人々ときちんとコミュニケーションをとれるだけの語学力です。求人の募集要項などによっても違いはあるかと思いますが、一般的に医療現場で働く場合英語圏であれば、 IELTSスコアは最低7.0以上、TOEICであれば900点くらいは要求されます。またこういった一般的に試験で測れるレベルの語学力に加えて、 取りとめのないジョークから、シリアスな病状まで、 細かいニュアンスを理解する能力も必要です。

日本の医療制度は、世界の医療制度から見れば特殊な部類に入ります。体調を崩した場合、普段私たちは専門医を訪れ、その先生の処方箋に基づいて薬剤師が薬を調合します。 しかし、海外の多くの国では、病院に行く前に薬局を訪れ、薬剤師に症状を相談し、薬剤師から勧められた薬を服薬します。それは薬からサプリメント、風邪薬から目薬まで、 あらゆるニーズが患者から持ち寄られます。

ここで必要になってくるのが、第二の語学力であり、それは専門用語です。たくさんの薬や薬の成分が海外で作られているため、カタカナをそのまま伝えれば理解される薬も多々ありますが、 全く違う名前になっている事も少なくありません。また発音やアクセントの違いだけでも誤解を生じる原因になります。

このような2種類の語学力に加え、現地の人がかかりやすい病気の知識も必要です。このような知識は単に語学力が非常に高いというだけではカバーしきれない大切なスキルの一つです。 海外で薬剤師として働く際に、具体的にTOEICや英検などの試験のスコアや合否はあくまで目安に過ぎません。一つ目の語学力は多くの人たちとコミュニケーションを取る中で必ず磨かれていく物であり、 二つ目の語学力は本人の努力で必然的に伸びていきます。語学力と共に、患者のニーズに応えようとする姿勢が、日本でも海外でも語学力以上に必要になってくる物でしょう。